今回は不登校と高校受験についてお話したいと思います。
よく保護者の方から、「不登校でも受験できる高校はありますか?」と聞かれます。
結論から言うと、どの高校でも受験はできます。
不登校だから受験ができない、させない、というような高校はありません。というかあってはならないでしょう。
不登校ということ事実自体は、受験においてプラスにもマイナスにもなりません。
ただ、不登校の状態によって生じるデメリットは少なからず存在します。
詳しく説明していきましょう。
高校入試(一般入試)について
一般入試とは、学力検査と内申点と面接で合否が決まる入試です。
学力について
不登校の状態でいると、勉強についていけず学力が低下してしまうことがケースが多いです。
どうしても学校に行っている子と比べると、勉強に関わる時間が少なくなる傾向にあるからです。
しかし、塾に通ったり、家庭教師を呼んだりして学力を補うという方法もあります。
実際に不登校の子でも、学校に通っている子よりも学力が高いケースは全然ありえるでしょう。
結局のところ、学力に関しては本人のやる気次第な部分が多く、学校以外の場所で学習の機会があるのであれば、
入試において大きく不利を取ることはないでしょう。
内申書(調査書)について
基本的に内申書というものは、学校の先生がその子の良いところを記録していくものです。決してマイナスになるようなことは書きません。
つまり、不登校の状態だからよくないことを書かれるということはありませんのでご安心ください。
ただ、学校行事やクラブ活動、委員会やボランティアなどに参加する機会が減るため、学校の先生が内申書を書くための材料がなくなってしまいます。
普段の授業に参加できなくても、体育祭や文化祭などの学校行事に参加できるなら参加したほうがよいでしょう。
また、教育支援センター(適応指導教室)や民間のフリースクールへ通うことができれば、学校の授業に参加したとみなしてくれます。
このように、学校には行けないけど、何かしらの手段で学ぶ意欲はあるということを示すことができれば内申書でも大きな不利にはならないでしょう。
定期テストは必ず受けよう
どんな結果になっても良いので、定期テストは必ず受けるようにしましょう。
なぜなら、テストを受けたらその科目の成績・評価がつくからです。
テストを受けなかったら学校側も成績をつけることができません。つまり評価ナシの状態になります。
たとえ点数がどんなに低くても、評価がついたほうがいいです。さらに言えば、テストを受ける=学習意欲がある というアピールにもなります。
最近は、学校側に頼めば教室ではなく別室で定期テストを受けることが可能です。
また、テストを受ける時間帯も他の生徒たちが帰った後にずらすなどの配慮もしてくれます。
民間のフリースクールなどに通っていれば、そこでテストを受けさせてくれたりも。
学校側も色々と手を尽くしてくれるはずなので、まずは一度学校側に相談してみてください。
副申書と自己申告書
副申書
副申書は学校が書く書類で、中身を見ること、何が書かれているかを知ることはできません。
ただ、調査書と同じで基本的には悪いことは書きません。
むしり受験を後押ししてくれるような内容を書いてくれているはずです。
簡単にいえば、調査書に書ききれなかった良いところを書き加えてくれるようなイメージですね。
自己申告書
自己申告書は生徒と保護者が書く書類で、自分がなぜ不登校の状態になったかの理由と、志願の動機、高校生活の抱負などを記入します。
高校側に提出する書類なので、なるべく具体的に、できるだけ丁寧な字できちんと書きましょう。
推薦入試について
推薦入試というのは、たくさんの種類があります。
学校長推薦やスポーツ推薦、自己推薦など、条件さえ満たしていれば不登校の生徒でも受けることができる推薦入試は結構あります。
高校によって推薦入試の受験資格はさまざまなので、自分が行きたい高校のHPを見て入試情報を確認してみましょう。
高知県では、太平洋学園さんの学校長推薦や自己推薦入試が有名ですね。
不登校と高校受験についてのまとめ
不登校と高校受験についてまとめてみました。
このように、不登校だからと言って高校受験ができないということは一切ありません。
大事なのは不登校かどうかではなく、中学生時代の3年間をどのように過ごしたか?ということです。
どうしても学校へ行けないのであれば、フリースクールや適応指導教室へ通うという手段もあります。
そうすれば出席扱いにしてくれるケースがほとんどなので、一度学校の先生に相談してみましょう。
最近では、高校側にも様々な入試形式を行う学校が増えてきました。
単純に学力だけで評価をするのではなく、様々な方法で評価を行うので、
不登校だから、勉強ができないから、という理由だけで高校への進学をあきらめる必要はありませんよ。